

Yann Le Gall (ヤン・ルガル)
アニメーター / 美術 (ラスカル劇場版, バスカッシュ!, エアーギアー...).
ウェブサイト : icaras.blogspot.com
原注 : 今 敏の作品との最初の出会いは十年ぐらい前のことになる。独仏両国の国営テレビ局「Arte」で、ある晩『PERFECT BLUE』が放映されていた。その頃の私は日本のアニメーション映画にはあまり(全然)明るくなかった。が、絵を描くのが好きだったし、少し懐疑的な態度だったことを否めないが、ちょっと好奇心に駆られて、見た次第である。少なくとも、あれだけ強烈なパンチを食らうことになろうとは、まったく予想外だった。衝撃のあまり、その夜は眠れず、映画の様々な要素を思い返しながら、ストーリーの結末の意味を何とか究明しようとしていたことを今もよく覚えている。本作はまさしく忘れられないほどの印象を残してくれた。その後、『PERFECT BLUE』だけの影響ではないにしてもそれも確実に関係しているわけで、アニメーションを学ぶ学生となった頃、『MEMORIES』の第一篇『彼女の思いで』を含めて、その他の今 作品をすべて見た。日本のアニメーションが劇場用もシリーズも無数にある中、これらの作品から受けた影響の強さのあまり、二年半前に東京のスタジオで仕事のチャンスを与えられた時は一瞬たりとも躊躇せずその話に乗った次第である。そこに身を置いて、現在に至る。ある意味で今の私自身の日常が、ある程度は十年前の今監督の作品との出会いからの結果でもあるわけだ…
ご本人と接する機会は一度だけあったが、2006年10月のパリで、『パプリカ』のプレミア上映の時だった。世界中の多くのファンと同じ様に、監督の逝去を知り、深い悲しみを覚えた。最近活気に欠けつつある日本のアニメーション界にあっては残念にも、その存在と才能がこれから間違いなく、益々惜しまれることになる。

(展示会第一回のため描かれた作品)
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アニメーター / 美術 (ラスカル劇場版, バスカッシュ!, エアーギアー...).
ウェブサイト : icaras.blogspot.com
原注 : 今 敏の作品との最初の出会いは十年ぐらい前のことになる。独仏両国の国営テレビ局「Arte」で、ある晩『PERFECT BLUE』が放映されていた。その頃の私は日本のアニメーション映画にはあまり(全然)明るくなかった。が、絵を描くのが好きだったし、少し懐疑的な態度だったことを否めないが、ちょっと好奇心に駆られて、見た次第である。少なくとも、あれだけ強烈なパンチを食らうことになろうとは、まったく予想外だった。衝撃のあまり、その夜は眠れず、映画の様々な要素を思い返しながら、ストーリーの結末の意味を何とか究明しようとしていたことを今もよく覚えている。本作はまさしく忘れられないほどの印象を残してくれた。その後、『PERFECT BLUE』だけの影響ではないにしてもそれも確実に関係しているわけで、アニメーションを学ぶ学生となった頃、『MEMORIES』の第一篇『彼女の思いで』を含めて、その他の今 作品をすべて見た。日本のアニメーションが劇場用もシリーズも無数にある中、これらの作品から受けた影響の強さのあまり、二年半前に東京のスタジオで仕事のチャンスを与えられた時は一瞬たりとも躊躇せずその話に乗った次第である。そこに身を置いて、現在に至る。ある意味で今の私自身の日常が、ある程度は十年前の今監督の作品との出会いからの結果でもあるわけだ…
ご本人と接する機会は一度だけあったが、2006年10月のパリで、『パプリカ』のプレミア上映の時だった。世界中の多くのファンと同じ様に、監督の逝去を知り、深い悲しみを覚えた。最近活気に欠けつつある日本のアニメーション界にあっては残念にも、その存在と才能がこれから間違いなく、益々惜しまれることになる。

(展示会第一回のため描かれた作品)
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